タテノイトとはなにか

コンセプト

子どもが自ら学び出す、そんな情熱の火を心に灯す教育を幼児期から

予測不可能な未来を生きる子どもたちに、幅広い知性で世界を俯瞰し、参画していける人に、そして揺るぎない自分軸で幸せに生きる人になって欲しい。このために「情熱」「教養」「当事者意識」 を備えた人への育ちをサポートしていきます。

地球の起源と進化という”過去”を研究してきた私たちは、”未来”を創造する「教育」の大切さにたどり着きました。タテノイトで一体何をやりたいのか。少し長くなりますが、私たちの想いを紹介致します。

はじめに

社会に対して当事者意識が欠如したまま、”大人”になってしまった私達。娘が生まれてから、子ども達の生きていく未来のことが急に他人事ではなくなりました。今の日本を作っているのは、政治家でも官僚でもなく、私たち国民です。今の子ども達の世代、そのまた次の世代が生きていく日本、世界、地球が少しでも良くあるために、最も大切なことは「教育」だと考えました。自分はこの世界の一員であるという感覚、自分の周りから幸せを増やしていくという感覚を養えるような教育を行なっていきます。

第一章 背景と問題点

戦後に確立した知識偏重の全体管理型教育は、均一で良質な人材を大量生産することに成功し、高度経済成長を支え日本再興の礎になったことは疑う余地はありません。しかしながら、成熟社会に至った平成の30年間もなお、昭和の教育システムの冷凍保存が続きました。そして令和。時代にそぐわない旧態依然とした教育のアップデートが今こそ求められています。

子どもたちが生まれながらにして持つ多様な個性は、集団の平均値に合わせた全体教育の中で置き去りにされてきました。特に平均から外れた異彩を放つ子どもたちの才能を、伸ばすことも生かすこともできませんでした。それどころか、彼らの自己肯定感は育まれず、生きづらさをも強いてきました。このような教育環境ではクリエイティブな人材を育て上げることはできません。その結果は、GDP成長率、グローバル企業の時価総額ランキング、ユニコーン企業の数などを見れば明らかで、国際競争力の著しい低下として顕在化しています。社会は十分に成熟し、AIの急速な進歩によるシンギュラリティへの到達も目前に迫っています。とりわけ天然資源に乏しい日本にとっては、異彩を放つ規格外の人間をいかに社会で活躍できるように育てるかが極めて重要です。

平均からの逸脱が認められない日本人特有の同調圧力文化のルーツもまた、従来型の教育制度にあります。これにより、個性が重んじられない全体主義的マインドが国民にもたらされ、多様性が喪失しました。国民はメディアの影響を受けやすくなり、幸福の価値基準を自分の外に求めそして「自分らしさ」を失います。さらに社会への希薄な当事者意識は、諸外国に比べ異常に低い投票率として可視化されています。政治に無関心になった結果、まさに国家の民主主義が崩壊しつつあります。自分らしく幸せに生きるという本当の豊かさを、改めて見つめ直す必要があります。

そこで今、私たちに何ができるか。子ども達には生涯にわたって情熱を持って取り組める事を見つける能力、それを遂行する土台となる能力の獲得が求められています。個性を認め自己肯定感を育み、個々の発達や興味に合わせた教育への改革が喫緊の課題となっています。

第二章 なぜこの
事業を始めるのか

私たちは、地球惑星科学の研究者でした。特に地球内部の物質科学的アプローチに基づいて「地球の起源と進化」の解明を目指し研究を行ってきました。国内や海外の研究者仲間と協力し同じ目標に向かい、そしてライバル達としのぎを削りながらの研究活動はとてもエキサイティングでした。その過程で”世界初”や”世界一”も経験してきました。これまで出会ってきた研究者達はみな「知」の生産活動という歓びを共有し合い、それぞれに自分らしく輝いています。彼らをドライブしているもの、それは『まだ誰も知らないことを知りたい』という「情熱」でした。研究者としてのキャリアの長さとは無関係に、そして知りたい気持ちに忠実に、新しいことを常に学び続け、新しいものを生み出す姿を見てきました。

情熱。研究者生活を通じて、これこそが自分らしく幸せに生きるために最も大切な要素であることに気付かされました。私たちが経験してきたように、科学者を研究活動へと駆り立てる情熱の火が灯る瞬間は、自然界で起こる事象の神秘さや不思議さに驚嘆する体験から始まります。しかしこれは決して科学者だけのものではありません。幼児期の子ども達にこそ豊富にこの機会が訪れ得るのです。彼らは世界に対して無垢であり、五感が全方位的に開いています。子どもが「なんだろう?」「なぜだろう?」と思うこの瞬間を生かし、興味や好奇心に育てることができさえすれば、あとは自発的な学習に向かいます。これこそが教育に課せられた使命であり、今の教育に求められることです。自ら学び出すことが学びのあるべき姿ですが、残念ながら現在の受け身の教育とは対局にあります。

私たちは、自ら課題を見つけ、誰も見つけていない答えを明らかにする「研究」という活動を通し、学ぶことの楽しさを味わってきました。本来、”学び”は楽しく、歓びに充ち、人生を豊かにする贅沢な営みです。これまでの経験を活かし、子どもたちを知りたいという情熱に駆られた自発的な学びへと導き、”学びの楽しさ”を子ども達に伝えていきます。

教育の可能性、そして今の教育を変える必要性を感じ、以上の理念に基づいた教育を確立したい強い想いがあります。そこで研究分野を地球惑星科学から教育へと変えることを決意し、想いを実現する拠点として『タテノイト』を始めました。

第三章 私たちが
目指すもの

5年前の非常識は現代の常識に。昨日の安定は今日の不安定に。
そんな将来の変化を予測することがますます困難になっていくこの時代。

自分らしくブレずに生き抜く
「情熱に溢れ、自分の中に揺るがない幸せの価値基準を持てる人」

そして

未来を創っていく
「幅広い知性に基づき世界を俯瞰し自ら参画していける人」

こんな大人へと成長してくれることを強く願っています。

その基礎形成を目指した教育を実践するべく、
私たちが大切にするのは以下の3つの要素です。

「情熱」
「教養」
「当事者意識」

これらを兼ね備える大人に育つことを意識し、教育を行っていきます。

第四章  そのために
何をするか

私たちの想いを実現し、子どもから大人まで共に育ち合う場として『タテノイト』は2つの事業を行います。

森のようちえん・タテノイト(認可外保育施設)

「情熱」「教養」「当事者意識」の獲得を目指した保育園

野外保育を主体とした認可外保育施設です。ここでは私たちが実践する手法と環境設定を紹介します。

「情熱」
私たちは野外での保育をメインに行います。自然環境は遊びと学びの素材が時間/空間的に無限かつ変化に富み、五感を通した驚きや感動を子ども達にもたらしてくれるからです。私たちは、子ども達がそれらを体験する瞬間を見逃さず、自然界の神秘や不思議さに驚嘆する感性(=センス・オブ・ワンダー)を育み強めていき、さらに興味や好奇心に変えていきます。このために保育者がなすべきことは、まず、子どもが抱いた自然に対する驚嘆を分かち合うことです。そしてその先に、子ども達が抱いた疑問に対し「適切な問いを立てること」「適切な本を紹介すること」であると考えます。これが情熱の火を心に宿すためのこれ以上ないチャンスになります。夢中になれる何かを見つけることは、幸せの評価軸を他人の基準に立脚しない生き方に必要不可欠であり、自己肯定感を高めます。自己肯定感を持つことで、自分を認め相手を認める。他者とのコミュニケーション、多様性の受容にとって最も重要なことです。

「教養」
ひとたび情熱の火が灯れば、情熱に駆られた自発的学習へと至ります。さらにこの火を絶やさないために、自然界の事象に対し子どもと共に不思議がり、子どもと共に探究することが私たち保育者に求められます。独りでに学び続け、”学ぶことの楽しさ”に目覚め、様々なことを調べ探究し続けることで、幅広い知性が身についていきます。このために「本」が身近にある生活を大切にしています。私たちは科学系の絵本、子ども向けの図鑑から専門書まで多数の蔵書を持っており、幅広い興味に備える体制を整えています。教養は生きるための武器です。調べる習慣、探究する習慣が身につけば、常識を疑うマインドが養われます。教養を身につけ大局観を磨き、社会の構造、世の中の仕組みを理解することで、世界を俯瞰的に見ることできます。

「当事者意識」
幼児期の子どもたちも自分達のことは自分達で決められます。子ども達の可能性信じて、その機会を作り出すことが重要です。私たちはできる限り集団の意志決定権を子ども達に委ねます。ここで意思の言語化が必要不可欠となります。適切な問いかけをすることでこれをサポートします。また「本」を読む習慣も意思の言語化を下支えし、これにより獲得した教養は議論の幅を広げます。意思の言語化は、子ども達同士での議論を可能にします。このようにして自分たち自身で集団の決め事ができるようになると、あらゆる活動・行動に対して当事者意識を持って関わるようになります。また、他者との議論において重要なことは攻撃せずに相手を認め尊重することです。そのためには、まず自分自身が認められていること、そして自己肯定感を持っていることが必要です。

えほんカフェ・タテノイト

子育て世代のハブ拠点としてのカフェ

私たちも共働きです。保護者の方に”ゆとり”をもって子どもに向き合うお手伝いができればと考えています。家庭での子育てに役立ててもらうために絵本の普及、そして子育て世代を中心に人と人が出会いつながるハブ拠点となることを目指し、えほんカフェを営んでいきます。

保育園や幼稚園、学校における教育だけでは限界があります。子どもが最も多くの時間を過ごす家庭こそが、第一義的な教育の場であると考えています。子どもを育てる仲間として、保護者のみなさんと共に子どもたちの未来を考え、そして子育ての歓びと悩みを分かち合う機会をつくります。教育、子育て、社会課題への関心を高めるため、様々なテーマでセミナーなどのイベントを開催し、それぞれの子育てと子ども達の未来作りの糧になることを目指します。

第五章 なぜ
横瀬町なのか

「日本一チャレンジする町」である横瀬町。新しい事を受け入れ、応援してくれるこの町で、私たちの新たなチャレンジを始めることを決めました。また、核家族・共働き・都会での子育てに限界を感じ、故郷でもある横瀬町は実家の協力を得られる環境、ということも大きな決め手となりました。

都会で子育てを始めた私たちですが、途中、人口最小県の鳥取で暮らす機会があり、自然環境に恵まれた田舎の良さを強く感じました。例えば、絵本や図鑑で味わった驚きや感動を屋外に持ち出せば、そこには実物があり、見て、触って、聴いて、嗅いで、時には味わって、さらに驚きや感動が深まります。そして、その逆も。

一方、都会では、教育に関する多様で魅力的な選択肢がありますが、地方ではなかなかそうはいかず、地方での子育てを躊躇させてしまう原因の一つとなっています。地方での教育を魅力化・多様化することが、日本における子育てに”ゆとり”をもたせるためには重要であると考えました。

おわりに

私たちは、共に育ち合える仲間を探しています。子ども達が生きていく未来を少しでも明るいものにしたいと、この事業を始めましたが、私たちだけの力では限界があります。ぜひ、少しでもご興味がありましたら、お気軽にえほんカフェにお立ち寄り頂いたり、説明会にご参加頂けたら大変嬉しいです。

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