埼玉新聞連載最終回です

8/27(土)の埼玉新聞に連載記事(3回連載)の最終回が掲載されました。

事業をスタートさせてから今までを書きました。
出会った子どもたちにはいつも大切なことを気付かされます。

この連載の機会をくださった埼玉新聞さんに感謝です!

以下全文の転載です。
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 本年4月に認可外保育施設として秩父郡横瀬町に「森のようちえん・タテノイト」を開園しました。現段階では在園児1人という小さなスタートではありますが、入園体験会には子どもたちが参加してくれるようになりました。保育の中心となる野外活動で出会う多様な生き物たちの営みは、時に目を見張る光景となり、子どもも大人も心が大きく揺り動かされます。
 そのような出会いを通した今、園児は昆虫の世界に夢中です。安全に配慮した上で、子ども達の自発的な行動を見守り観察していると、様々なことに気付かされます。壊しているように見えても実は必死で直そうとしていたり、ハラハラしてしまうような足取りで誰かのために物を運んでいたり、”大人の都合”で抑え込まれがちな、常に自ら善くあろうとする姿に感動を覚えずにはいられません。 
 興味も十人十色の子どもたちは一見すると完全にバラバラな行動をとっているようですが、周囲のことは意識の中にあり、ふと相手が求めている事と自分の興味や能力が一致した時に「私はこれやるね!」と自発的に協力し、社会のあるべき姿を教えてくれます。
 研究者は強烈な好奇心に駆動されて研究を遂行しており、これこそ「学び」のあるべき姿だと感じています。そこで、保育園に加えて、好奇心に火をつけ多様な興味に伴走していく小学生向けの学びの場を創っていこうとしています。これまでに、子どもの興味に沿って深掘りする研究室を開いたり、横瀬町の協力のもと地球や宇宙をテーマにオンライン授業を行ったり、地質巡検とオンライン・オフライン授業をセットにしたツアーなどの学びの場を提供してきました。
 蔵書の専門書を読みふける子、元素が大好きで難易度の高いクイズで私たちを驚かせる子など、好奇心に満ち溢れる子ども達と出会うことができました。そこで気づいたのは、共通してお母さんやお父さんが彼らの好奇心に伴走していることです。子どもたちは決して「何かを教えてくれる人」を必要としているわけではありません。「一緒に感動を共有してくれる人」、「さらなる好奇心を満たす環境を整えてくれる人」を求めています。それは私たち教育者の役割であるとともに、誰よりも多くの時間を共に過ごす家族こそが最良のパートナーとなり得るのだと感じています。
 科学の世界で起こるパラダイムシフトやブレイクスルーは、当該分野の”専門家”ではなく、他分野を経験した人や学際研究によってもたらされることが少なからずあり”多様性”が一つの鍵となっていることを示しています。子どもの”好き”を身近な大人が認めて応援し、突き詰める経験を重ねることは、自己肯定感を育みます。 自己肯定感を持つことではじめて、他者の価値観を尊重することができるようになります。それは、多様であることを認め合う社会の実現、ひいてはいじめや戦争のない世界へと繋がるものだと確信しています。

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