埼玉新聞の連載はじまりました

研究者時代、実験室での写真です

本日より3週に渡って埼玉新聞に記事を連載させて頂くことになりました。『はじめの一歩「森のようちえん」への挑戦』というタイトルです。以下に文章をまるっと転載します。第1回は研究者やめて保育事業を立ち上げるに至った経緯を書いています。お時間ある時にちらっと流し読みして頂ければと思います!

文章と写真を転載します。
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 昨年5月に横瀬町に移住し、地球惑星科学の研究を辞めて起業しました。事業の名前を「タテノイト」といいます。中核事業としての保育園を本年4月に開園し、平行して絵本カフェや小中学生向けの探究学習事業も行っています。「どうして研究を辞めたのですか?」と、まず聞かれる設立の経緯についてご紹介します。私たちはこれまで地球の内部を研究対象とし、地球の誕生と進化の解明を目指し、研究を行ってきました。そのため、時間的空間的に地球を俯瞰する視点は自然と持ち合わせていたものの、基礎科学の研究者にありがちな象牙の塔にこもっていたため、実社会との接点は限られ、社会への関心も恥ずかしながら決して高くはありませんでした。これが突如として他人事ではなくなったのは娘の誕生がきっかけでした。親ですから彼女が生きていくであろう将来の社会を想像します。今の子ども達の世代、さらにその先の世代が生きていく世界で、自分らしく幸せに生きるために最も大切なことは「教育」だと気付きました。とりわけ、人間としての土台作りの時期でもある幼児期の教育に携わりたいと強く願うようになりました。
 私たちがこれまで出会ってきた一流の研究者に共通するのは、強烈な好奇心に従って完全に自分の軸で生き、輝いていることです。自然科学の研究者は、自然界で起こる事象の神秘さや不思議さに鋭敏に反応しそして驚嘆します。その体験こそ情熱の火が灯る瞬間であり、研究活動へと駆り立てられていきます。このような体験は科学者だけのものではないはずなのです。
 世界に対して無垢な幼児期の子ども達にこそ豊富にこの機会が訪れ得るのです。「ねー、みてみて~!」と子どもが振り返った瞬間に目が合う大人がいること、一緒にその瞬間を驚嘆し面白がれること、この機会を見逃さず興味に寄り添い情熱の火を燃え上がらせること、これが私たち保育者の役割です。子ども達は十人十色、興味も挙動も一人として同じではありません。ですから、可能な限り個々に寄り添うことが必要不可欠となります。大人に見守られていると感じる安心感の中で、一つのことに没頭し好奇心を満たし切る経験を積み重ねることは、自己肯定感を高めることにも繋がります。また「自然」以上に、子ども達への情熱の種まき素材に溢れた保育環境を見つけることが出来ませんでした。そこで、自然体験活動を基軸にし、子どもの主体性を尊重するデンマーク発祥の保育スタイルである「森のようちえん」を冠した「森のようちえん・タテノイト」を始めることを決意しました。

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