\教えることは、奪うこと/

折り紙で紙飛行機を作るのが好きな年少Aくん。

この日は折り紙の本から

『これ作りたい!』

と選んできたのは

「ウインド・ボート」。

できあがると、早速床の上で遊び始めます。

息を吹きかけると颯爽と床の上を走る

ウインド・ボートに

 『わー!速い!』

と嬉しそうな声をあげていました。

何度か遊んだ後に、ふと思いついたようで

『お山でやってみよう!』

と園庭の築山へ駆け出していきました。

大人はここで、築山の芝生に行く手を阻まれて

ウインド・ボートが動かないことを

想像できるのですが、

こちらからは何も言わず見守ります。

いざ、築山で走らせようにも

何度息を吹きかけてもびくともしない

ウインド・ボート。

すると

『芝生だからか』

とポツリと呟いたAくん。

大人があれこれ言わなくても

子どもが自分でやってみて、

自分で気が付くことができるんですね。

大人が先に教えてしまったら、

この貴重な成長の機会を得られませんでした。

【教えることは、奪うこと】

これを実感したできごとでした。